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2008/01/30  もうひとつのセンター記

雨降る高速道路を走る車の中。
センターからアパートへの帰り道。

     
        “カランコロン” 



まるで、カウベルのような鈴の音。

助手席から後ろを振り返ると、後部座席のバリケンの中からこちらを見つめる、鈴付きセター(♂)のドンと何回も目が合いました。
センターの抑留棟から外に出て、くるっと中庭を一緒にまわって車に乗り込みましたが、彼はまだ一声もあげません。


バリケンの小窓から外を、そしてこちらをじっと見つめた後、何回か体の向きを変えたドン。
その度に 

       “カランコロン”   “カランコロン”。


手足が思いっきりのばせる訳ではないバリケンの中。それでも、ごろんと横になり、そのうち眠ってしまいました。
知らない人に、どこに連れていかれるかもわからないのに、そんなにリラックスしてていいの?と思うほど、落ち着いていました。






ドン、小柄な♀のセター:モカ、黒プードル君はボンさん宅へ。



1頭だけアパートにやってきたのは、パルボから生還したポインターMIX(?)の♂:ロック。
彼も、車中で静かにバリケンに入っていました。

アパートでは、朝当番のボラさんたちが、ロックの為にケージの中に厚手の毛布を敷き込んで、寝床を作っておいてくれました。

初めての場所、周りには見知らぬ犬。そして、ロックにとっては、それこそ正体不明の私達。

そんな中でも、様子を見に来てくれた菊さんと私がひそひそと話をしている部屋の中で、警戒心などまるで持ち合わせていないかのように、ゆったりと横になり、ロックもぐっすり眠り始めました。
音を立てずにいてあげたかったのですが、用事をすませるためにロックのケージの側にそーっと寄っていっても、ぴくっと起き上がることもなく、すやすやと眠り続けていました。

もちろん、警戒心が無かった訳ではないでしょう。ただ、毛布の心地よさには勝てなかったのかもしれません。
緊張し続けていた心が、ほんの少しだけほどけたのかも・・・。


きっと、センターで熟睡するのは難しいのでしょう。


それぞれの性格もあるとは思いますが、見慣れない私達の前で無防備に眠っていた犬たち。








命が助かった。

それは、ほんとうに、ほんとうにありがたいこと。


ささやかだけれど、暖房の効いた部屋の暖かな毛布の上で、のびのびと体を横たえられるのは、これまたしあわせなこと。



センターにいる子のほとんどは、家庭にいれば当たり前の、そんなことさえ、もう望めないでしょう。
中には、そんな当たり前のしあわせを、今まで一度も味わえなかった子もいるのかもしれません。

彼らは、このあとの短い一生で、それを知る事もなく、逝ってしまうのです。





きれいに掃除してもらっても、なかなか乾かないセンターの冷たい床。

立ってばかりもいられないので、きっと、それこそ思いきって、そんな床に伏せてみる。
自分自身の体も濡れてしまうのですから、体温を奪われ余計寒くなる。

他の子と寄り添い合える子は、それでも幾分、暖がとれるのかもしれません。

しかし、寄り添う相手もなく、ぽつんと一頭で伏せて震えている子、伏せられずにずっと立ったままの子も、この日のセンターにはいました。

それはいつもの光景なのです。





     でも、そうやって待つしかない。

     もしかしたら、いや、きっと迎えに来てくれるはずの飼い主を。

     もしかしたら、もしかしたら助けてくれるかもしれない人を。

    
                 そして、確実に迫ってくる収容期限の日を・・・。








この日、会った子たちのほとんどは、もうこの世にいないでしょう。

あんなにかわいい子たちが、どうして? どうして?  と心を強くかきむしられる思いです。
   


でも、次々に、こんな子たちがセンターへ運ばれてくるのです。


それが、現実。


今、確かに起こっている事実です。


毎日、毎日、絶えず続いているのです。




そして、センターに残った子たちは、また運ばれていきます。





そう、今度は天国へ・・・。

                              











里親さんはもちろんのこと、保護した子を預かって下さる方、保護した子のお世話をして下さるボランティアの方が増えれば、センターの子たちには、また生きる道が開かれます。

そして、全頭は無理にしても、私達はこの日の子に続く不幸な子たちを保護することができるのです。




この日のドンやロックのように、センターの子たちにまたささやかなしあわせを、初めてかもしれないしあわせを感じてもらいたい。







           どうか、色々な形で、私達に力を貸していただけませんか?



           どうか、預かり先としてご協力いただけませんか?



           そして、どうか、どうか、

                里親という方法を考えていただけませんか?







                なにとぞ、よろしくお願いいたします。





                              桃金

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Comment

  • 桃金
  • URL
涙さま

一番辛いのは、犬・猫なんですよね、きっと。
人間に裏切られた理由も判らず、不安の中で命を断ち切られる。
だから、この子たちに比べたら私なんかの辛さなんて・・・と思いながらの活動です。
生意気ですね、保護活動に関わる人が感じる本当の辛さを、私はまだ経験もしていないだろうに。
でも、そう思う事でこれからも大変な事にも向き合っていこうと考えています。
私達が辛い時、涙さんのように見守ってくださっている方々も、きっと同じように心の痛みを感じてらっしゃるのだろうと思います。

コメント、励まし、ありがとうございます。


  • 桃金
  • URL
菊さん

センターから新しい子が帰ると、必ず様子を見に来てくれる菊さん。
ワンたちがアパートにいる間、少しでも快適に過ごせるようにと、いつも心配りしてくれる菊さん。
ありがとうございます。

保護活動に関して、私はまだまだ未熟者ですが、心のベクトルは菊さんと同じだと信じています。

ひとつひとつ、前へ前へ、ですね。

  • 桃金
  • URL
クロ母さま

普段は見過ごしてしまいがちな、ちょっとした出来事にも、しあわせが詰まっているんだなぁ、そんな事を感じました。当たり前のことなのですがね、それが当たり前じゃない子もいるんですよね。
朝当番さんの心遣いとご提供頂いた毛布という、愛情の上で眠るロック、そして、その周りのケージで同じようにすやすや眠ってるワンたちをみて、センターから連れてこられて本当に良かったと思いました。

いつもいつもコメントありがとうございます。

  • URL

お疲れ様です。
悲しい現実・・・。
みんな辛い思いをして最期を迎えるなんて・・・。
何も悪くないのにね。
ゴメンネの気持ちでいっぱいになります。
厳しい現実の中、ボラの皆さんには頭が下がります。
悲しい事や、大変な事、目の前で起きているんだものね。
本当にありがとうございます。

  • URL
お疲れさまでした

心に深く響きました。

同じ志を持ち、同じ方向を向き
次の子のために、次の一頭のために
私たちの出来ることを頑張りましょうね!

前へ前へ進みましょう!

  • クロ母
  • URL

ご苦労様です。
胸がいっぱいになります。
横になって寝る、そんな当たり前のことがセンターの子達はできないんだものね。
どんなにアパートでの毛布の上が心地良かったことでしょう。
いつも ありがとうございます。

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