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覚悟

11月21日、金曜日。
初めて千葉動物愛護センターを訪れました。
金子さんのこのブログや、先日の報道番組での画像から、もっと大きな施設をイメージしていました。

この日は快晴。
施設に到着し、犬たちの声が聞こえる中で目に入った青空を見て、二度とこの空を見られない子たちがこの中に大勢いるのだと思いました。

職員の方に挨拶を済ませ、金子さんにセンター内を案内して頂きました。

まずは、譲渡会に出られる子犬たちの犬舎。施設の裏庭にありました。
外からガラス越しに見ても、子犬の姿はありません。でも、実はあまりに小さい子ばかりだったので、こちらからは良く見えなかっただけなのです。
覗き込む私達の姿を見つけると、何頭もの子たちが、窓には届かないのに一生懸命背伸びをして、かわいらしい顔を見せてくれました。こんなにかわいいのですから、誰が見ても一緒に暮らしたくなるはず。
譲渡会で、優しい家族と巡り会えることを願わずにはいられません。

子犬たちの犬舎の側には、慰霊碑が。
その碑の中には納まりきれない命の多さが、ずっしりとのしかかってきました。



その後、いよいよ抑留棟の建物内に。
ここに入るにあたり、私にもちょっとした覚悟が必要でした。

着いた時から絶えず聞こえる犬の鳴き声、そして独特のにおい。
それらを感じながら、まずは入口のすぐ脇にある、負傷犬・咬傷犬の部屋へ。

え?なぜ、こんな小さい子が?

そう首を傾げずにはいられないくらい、ちいさな “咬傷犬” がケージの奥で震えていました。隣のケージの負傷犬の吠える声におびえ、私達のほうへ寄ってもこられません。
金子さんが自分の手を近付け匂いをかがせると、吠えてはいますが危害を加える事なく尻尾を振っていた子のケージに置かれた紙も、『咬傷犬』の欄に○が。

本当にここに持ち込まれなければならないほどだったのでしょうか?
人の体に牙をたてたのなら、どういう状況だったのでしょうか?
『咬傷犬』のレッテルを貼られてしまったこの子たちにも、きっと言い分はあるはずです。

他のケージには、伏せてぐったりしている子、床に吐瀉の跡がある子・・・。
痛いだろう、苦しいだろう・・・。物言えぬ動物だけに、心が痛みます。
いっそのこと、人間のようにわめきちらせばいいのに・・・。


検疫室を横に見ながら、廊下をはさんで五つの部屋。
あぁ、これだ。私は今、テレビやパソコンの画面ではなく、自分の目で現実に見ているのだ、現実を見ているのだ、そう思いました。

人の姿を見つけ、一斉に寄ってくる犬たち。健気に尻尾をふっています。
部屋の奥には、誰に言われた訳ではないのに、ちょこんとお座りし、その姿勢をいつまでも崩さずにこちらをじっと見つめる子。
何か人間から指示があると思ってる?それとも、そうしてお利口にしていれば褒めてもらえた?
まっすぐな瞳に胸がつまりました。

1日目の部屋、2日目の部屋、3日目の部屋・・・。
部屋の入口から一番離れた隅で、ぐったりと横になっている子。
訳も解らずここに無理矢理連れてこられ、これからどうなっていくのかもわからない。人間の手に委ねられた運命に感じる不安、恐怖は如何ばかりなのでしょう。

4日目の部屋、そして最終期限、5日目の部屋。
またブリーダーの崩壊現場があったとのことで、柴犬がたくさんいました。
遊んでもらえると思うのか、訴えたいことがあるのか、こちらの動きに合わせ、あちらへ行きこちらへ行きしている子。
ここでも、じっと座ってこちらにまっすぐな眼差しを向けてくる子。
穏やかで賢そうな秋田犬もいました。こちらに駆け寄ってくることはありませんでしたが、落ち着いて実に堂々とした姿で、静かにこちらをみつめていました。


途中から、職員の方がわざわざ来て説明をして下さいました。


5日目の部屋の横には、 “ドリームボックス” 。
ここに入って、そしてこの子たちは天国へ向かっていくのです。
最終部屋とガス室をつなぐ、最後のスペース。


職員の方の配慮で、ガス室、そして焼却炉を見せて頂けました。

まるで、何かの工場に来たようでした。
ただ機械的に “その作業” が進められていく空間。
ただ合理性だけが求められるかのようなその場に立って、何を言えるでしょうか。


ずっしりと重たい想いを抱えて、今日、アパートへ連れ帰る子を迎えに検疫室へ。

体は汚れているけれど、おとなしく素直な雄のセター。

出発前の排泄のために、敷地内の植え込みスペースへ連れ出しました。
たまたま、そこにいらっしゃった所長さんと少しお話が出来ました。
先日のテレビ番組を観たと申し上げたところ、多くの一般の方々に事実を知って欲しいと強く願っていると話して下さいました。
また、私達のようなボランティア団体のおかげで、成犬の命が助かるケースが増えたという事も。


この活動に携わるようになってから、ある方にこう言われたことがあります。
「知らなくても済んだことを、知ってしまいましたね。」
動物に関わる仕事をなさるその方は、この現実を知っていらっしゃるので、私が苦しい思いをしているのではないかと配慮して下さっての言葉でした。

でも私は、知ってしまったからには、いや、むしろ知ることが出来たからこそ、もっと色々な事に向き合って行かなくてはならないと思っています。

目を背けてはいけない、目を開けているだけではなく、しっかりと見なくてはいけない。
耳を塞いでもいけない、そして、口をつぐんでもならないのだと。


勝手な人間の都合に翻弄される動物たちの事を、かわいそうだと思うのは素直な感情だと思います。だから先日のような特集番組なんて可哀想すぎて観られない、そういう方もいらっしゃるでしょう。
でも、そこでもう少し頑張って、事実を知って頂けないものか?
そして、何かを感じ、行動を起こして頂けないものか?
命に期限をつけられた動物たちの辛さ、苦しさを思えば、それを可哀想だと思える気持ちがあるのなら、人間まだまだ強くいられるでしょう?

もちろん、私のような考えの人ばかりではないし、それを強要することはないとわかっています。


長々と、この拙い文章を書いた割には、私の思いをうまくお伝えできていないかもしれないと考えると、非常にもどかしく思いますが、少しでも汲み取って頂けると幸いです。
でも、今までの、そして今回の金子さんの写真をたった1枚見て頂くだけで、私が言わんとすることはお解り頂けるのではないかとも思っています。



また、私はセンターへ足を運びます。


                          桃金

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Comment

  • 桃金
  • URL
クロ母様へ

こんばんは、初めましてクロ母様。
いつも、HPでの優しいコメントを拝見しております。

アパートの犬たち、どの子もとても愛おしくなります。 クロ母様のように、HP上で犬たちの様子に泣き、笑い、見守って下さる方も、そう思って頂けているのではないかと・・・。

出来る事を積み重ねていけば、きっと何かが変えられる。
そう信じて、今を頑張っていくしかないのでしょうね。
コメント、本当にありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。

  • 桃金
  • URL
ランディのメイド様へ

こんばんは、ランディのメイド様。
コメント、本当にありがとうございます。

森の火事の時に、みんなに馬鹿にされながら、一滴ずつ水を運んで森にかけ続けたハチドリの物語をいつも思い出します。

「無駄かもしれなくても、無理かもしれなくても、僕は自分に出来る事をするんだよ。」

と、わずかな水を運び続けたハチドリ。
いつも、この物語を思い出し、自らを励ましながらの日々です。


私には、それこそちいさな事しかできません。
でも、ランディのメイド様のような理解ある里親様がいて、こうやって寄り添って下さるので、また頑張れます。
ただ、ただ、ありがとうございます。

  • クロ母
  • URL

はじめまして三番瀬でお世話になったクロの飼い主のクロ母と申します^^
ワン達のお世話して下さって、ありがとうございます。
自分のできること私も考え行動していけたならと思います。
今後ともよろしくお願いしますね。

  • ランディのメイド
  • URL
桃金さん、こんにちは。

私も知ってしまったひとりです。
センターに行ったことはありませんが
こちらで写真を見て記事を読んで知ってしまったひとりです。
私に出来ることはほんとに些細なことですけど
せめて一頭だけでも平和に暮らさせてあげたいと思っています。
センター、つらかったでしょうね。
こんな状態が一日も早く終わることを願っているひとりです。

  • 桃金
  • URL
う~様へ

う~様、初めまして。
私は金子さんのもとで、活動のお手伝いを始めてまだ半年も経ちません。ずっと活動をなさってらっしゃる方からすれば、だいぶ生意気な文章になったかと思いますのに、温かいコメント、本当にありがとうございます。
出来ることから・・・。そうですよね。
いきなり、大きな事をやってのけられればいいのでしょうが、なかなか難しい。となると、その人が出来る事をコツコツとやっていかない事には、前には進めませんものね。
たくさんの命を救いたいと心を痛めている多くの人と、いつか出来る大きな事を目指し、私も信念を固く持ち、頑張っていきたいと思います。
気持ちは同じです、う~様。
これからも宜しくお願いいたします。

はじめまして。私は、「千葉わん」の預かりボラをしています。
金子さんや三番瀬のワンたちのことは、時々ブログを通して拝見しています。
友人は、金子さんから、グレートデンの里親になりました^^)昨年のことです。
私は、富里センターや千葉市から、レスキューをすることを希望して、他団体から移ってきました。まずは、地元から...できることから.....と思い。
これからも、宜しくお願します。長くても、しっかりと地に足をつけて、がんばりましょうね。^^)

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